真愛だより
2023.01.29
予防接種について風疹の予防接種について
風疹(ふうしん)について
風疹の予防策と予防接種をお勧めする方
- 風疹の予防接種を行う主な目的の一つは、妊娠初期(妊娠20週頃まで)の妊婦への風疹感染予防です。妊娠初期の妊婦が風疹ウイルスに初感染することによって、胎児に感染し先天性風疹症候群(難聴、先天性心疾患、白内障を合併)が発生します。先天性風疹症候群の赤ちゃんをゼロにするためには、風疹の免疫がない方を中心に風疹ワクチン接種を進めることが重要です。
- 昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた男性のうち、次のいずれかの要件を満たす人1 抗体検査と予防接種が未実施の人2 抗体検査の結果が陰性で予防接種が未実施の人各自治体が男性用の風疹対策を行っていますので、参考にしてください。 東広島市 https://www.city.higashihiroshima.lg.jp/kenko/kenshin/4/20455.html
日本の風疹の流行状況
- 日本においても、2012~2013年と2018年 にかけて、成人男性のワクチン未接種者を中心に、風疹の大流行が発生しました。
- 2018年から始まった風疹の流行はなお続いており、2019年はすでに日本国内で2000人を超える風疹患者が報告されています。
- 厚生労働省は2020年までの「風しん排除」の達成を目指しており、風しんの予防に関する啓発を行っています。
- 海外に渡航する人
- 風しんに対する免疫の不十分な人が多い30歳代後半から50歳代までの男性
- 妊娠を希望している女性など
風疹の感染原因と症状
風疹とは
- 風疹(rubella)とは、発熱、発疹、リンパ節の腫れが特徴的なウイルス性発疹症です。
- 妊婦(妊娠20週頃まで(特に妊娠初期)が風疹に感染すると、先天性風疹症候群として知られる先天性欠損症を引き起こす可能性があります。妊娠中は風疹の予防接種をうけることはできませんので、妊娠前に子どもの頃も含めて2回の予防接種を受け、妊娠中に風疹にかかることを予防しましょう。
- 風疹に対する特別な治療法風はなく、治療は対症療法が主となります。
- 風疹は予防接種で予防できます。
風疹の原因と感染
- 風疹ウイルスに感染した人の咳やくしゃみ・鼻水など風疹ウイルスを含んだ唾液や分泌物が空気中に飛び散り、これを他の人が吸い込んで伝染(飛沫感染)したり、風疹ウイルスが付着した手などから口・鼻に触れて感染(接触感染)します。咳や会話による飛沫の距離は通常1~2メートル程度ですが、勢いのよいくしゃみの場合は10メートル以上の場合もあります。
- インフルエンザウイルスと比較すると感染力は強く、1人の感染者から5~7人にうつす強い感染力を有します。
感染経路
風疹ウイルスの飛沫感染により起こります。
風疹の症状と風疹の発疹
- 風疹の潜伏期は2~3週間です。
- 主な症状はリンパ節・発熱・発疹です
<リンパ節の腫れ>
発疹が出現する1週間前から始まり、数週間持続します。発症時に耳のうしろや首のリンパ節が腫れるのが特徴です。熱が下がっても数週間はリンパの腫れが持続します。
<発熱>
風邪のような症状や微熱が現れます。その数日後に発疹と共に高熱を伴います。熱は数日続きますが、比較的速やかに下がります。
<発疹>
淡いピンク発疹が、最初は顔面に出現し、1~2日で首、胴体、手足へと広がり、かゆみを伴うこともあります。発疹は3~5日程度で消失するため、「3日はしか」とも呼ばれています。半数の患者に発疹と同時に発熱をみとめ、3~4日続きます。
風疹の血液検査と風疹抗体価
- 風疹に対して免疫がどのくらいあるかは血液検査で調べることができます。風しんの抗体検査は主にHI法とEIA法の2種類あります。 予防接種が推奨される風疹抗体価の参考値を下表に示します。検査方法によっては「陽性」=十分な抗体価とは限りませんので注意が必要です。
- HI法で陰性かあるいは32倍未満、またはEIA法で風疹ウイルスIgGが陰性かあるいは8.0未満の場合は、過去に風疹ワクチンを受けた、あるいは風疹に罹患した既往があっても、風疹にかかる可能性があります。
- 風疹抗体検査の結果、抗体がない、あるいは抗体があってもその量が少ない(抗体価が低い)場合は、風疹ワクチンの予防接種を受けて、風疹に対して免疫をつける必要があります。
風疹と妊婦
- 妊婦(特に妊娠20週ころまで)が風しんウイルスに感染すると、おなかの赤ちゃんも風疹ウイルスに感染してしまいます。その結果、難聴や心疾患、白内障、精神や体の発達の遅れなどの障害をもった赤ちゃんが生まれる頻度が高くなります。これらの障害を「先天性風疹症候群(CRS)といいます。
- 先天性風疹症候群の頻度は妊娠週数が早いほど高く、妊娠1か月でかかった場合50%以上、妊娠2か月の場合は35%などとされています。ただし風疹ウイルスに感染したにもかかわらず感染症状を発症していない状態(不顕性感染)でも、先天性風疹症候群は発生しますので注意が必要です。
- 妊娠中は風疹の予防接種をうけることはできませんので、女性は妊娠する前に風疹ワクチンの予防接種を受けることにより風疹に対する免疫を獲得しておくことが大切です。風疹は感染力が強いため、風疹患者が妊婦の近くにいた場合、風疹をうつしてしまい、その赤ちゃんが先天性風疹症候群となって生まれる可能性があります。妊娠中あるいは妊娠希望の女性のパートナーや家族、職場に妊娠出産年齢の女性がいる人などは、予防接種を受けた記録や風しんにかかった記録が残っているかどうかを確認しましょう。男女を問わずワクチン接種を徹底し、風疹の流行を防ぐことにより、自分と家族、そして周りの人々を風疹とその合併症から守ります。これまで風疹の予防接種を受けたことがない場合は、早めに風疹ワクチンの接種をお勧めします。
妊娠準備と風疹予防接種
- 風しんの予防接種を受ける際は、あらかじめ約1か月間避妊した後に接種をしてください。また、風しんワクチン接種後は約2か月間は妊娠しないように注意してください。
授乳中と風疹ワクチン接種
- 授乳中の生ワクチン・不活化ワクチン接種は可能です。
- 妊娠中の検査で風しん抗体価が低かった場合には、出産後早期のタイミングでのワクチン接種が望まれます。
- 生ワクチン、特に風しん含有ワクチン接種では、風しんワクチンウイルスが 母乳を通して乳児に移行することはありますが、赤ちゃんに風しんの免疫を与えるには至らないと言われています。
風疹ワクチンの種類と接種方法
風疹ワクチン(国産)
接種回数:1回または2回(4-8週間後)
抗体価持続期間:20~30年
初回接種(0.5ml)